気象病
2023.6.1
雨天・曇天・雨が降る前になると調子が悪いなど、いわゆる「気象病」と呼ばれる症状に悩まされる人は多いものです。頭重、頭痛、めまい、むくみ、吐き気、体のだるさなど人によって症状に差はありますが、中医学的には「胃腸虚弱の人」・「湿(しつ)が停滞しやすい人」に多いです。
湿(しつ)は体の中の不要な水であり重く濁った性質があります。これが体のあちこちで不調を引き起こす原因になるのです。湿には体の内側から生じる内湿(ないしつ)と外気の影響で生じる外湿(がいしつ)があります。天気の影響で外湿が増してくると、元々内湿が溜まっている人はより強く不調を感じやすくなるんです。そのため日頃の生活から内湿を生じない工夫が大切です。
普段からできる対策としては、よく噛んで腹八分目で食べる、胃腸の負担になり湿を生みやすい食べ物(甘いもの、脂っこいもの、冷たいものなど)を減らすこと。さらに最近は水分を沢山飲むことを良しとする風潮がありますが、水分を処理できる能力もまた胃腸の強さに関係しているので、ご自身の胃腸にあった飲み方なのか見直すことも大切です。また、胃腸を元気に整えて水分代謝を助ける漢方薬を日頃から飲んでおくこと、健やかで不調の起こりにくい体質に変えていくことができます。このような対策をした上で雨天時に不調が消えない場合は湿を外に散らす漢方薬、頭痛を改善する漢方薬、利尿を促す漢方薬など不調に合わせて服用するといいでしょう。
雨の日も軽やかに健やかに過ごせますように。
成城漢方たまり・谷澤瑛美