2027年度・tamari中医学養生学院の募集について

温めると楽になる痛みは「寒邪」のしわざかも

2023.8.21

冷えるとお腹がキリキリ痛む。寒い日は体がこわばって関節がズキズキする。温めると楽になるのに、冷えるとまたぶり返す。そんな不調の原因になっているのが、六淫のひとつ「寒邪(かんじゃ)」です。

寒邪は体を冷やし、固めて、縮こまらせる性質を持つ邪です。寒さは冬の気候なので寒邪による不調は冬に多くなります。でも、寒邪は冬だけのものではありません。涼しさを求めて薄着で寝る、冷たいものをとりすぎる、エアコンで体を冷やす。こうしたことでも、寒邪は体に入ってきます。

寒邪が体の表面にとどまるものを「傷寒(しょうかん)」、いきなり体の奥まで入りこむものを「中寒(ちゅうかん)」と呼びます。

寒邪には、3つの特徴があります。1つめは体の「陽気(ようき)」を傷つけること。陽気は体を温めて動かす力です。寒邪が体の表面に入るとゾクゾクと寒気がします。お腹の奥まで入ると胃腸が冷えて、お腹が冷えて痛んだり、水っぽい下痢や嘔吐が起きたりします。

2つめは「凝滞(ぎょうたい)」で、痛みを起こすこと。気や血は温められることでスムーズに流れます。寒邪で冷やされると、川の水が凍るように流れが固まってとどこおってしまいます。中医学には「通じざれば則ち痛む」という言葉があります。流れが止まると痛みが出るという意味です。寒邪による痛みは「冷えると強くなり、温めると楽になる」のが特徴です。

3つめは「収引(しゅういん)」。寒いと体がギュッと縮こまるように、寒邪は毛穴や血管、筋を縮めます。毛穴が閉じるので汗が出にくくなり、筋がこわばって手足の曲げ伸ばしがしにくくなります。

「温めると楽になる痛み」は、寒邪からのサインかもしれません。冬はもちろん、夏の冷房や冷たい飲みものにも気をつけて、体を冷やさないようにしてあげてくださいね。

成城漢方たまり・谷澤瑛美