空咳、肌の乾燥は「燥邪」のしわざかも
2024.2.15
秋になると、のどがイガイガする、コンコンと空咳が出る、唇や肌がカサカサする、髪がパサつく。そんな乾燥による不調の原因になっているのが、六淫のひとつ「燥邪(そうじゃ)」です。
燥邪は体を乾かし、うるおいを奪う性質を持つ邪です。秋は空気が引きしまり乾燥する季節。そのため、燥邪による不調は秋に多くなります。燥邪はおもに口や鼻から体に入ってきます。
秋の燥邪には2つのタイプがあり「温燥(おんそう)」と「涼燥(りょうそう)」と呼ばれます。
「温燥」は初秋に多いタイプです。まだ夏の暑さが残り、晴れの日が続くころに、乾燥と熱が一緒に入ってきます。
「涼燥」は晩秋に多いタイプです。冬が近づいて冷たい風が吹くころに、乾燥と寒さが一緒に入ってきます。
燥邪には2つの特徴があります。
1つめは「乾渋(かんじゅう)」で、体のうるおい(津液)を奪うこと。燥邪が入ると体の水分が減って、あちこちが乾いてしまいます。口や唇、鼻やのどの乾き、肌の乾燥やひび割れ、髪のパサつき、尿が少ない、便が硬い。こうした症状はどれも燥邪のサインです。
2つめは「燥は肺を傷つけやすい」こと。肺のコラムでもお話ししたように、肺は「潤を喜び、燥を悪む」繊細な臓器です。しかも、鼻や口を通して外の空気とじかにつながっていて、季節では秋と結びついています。そのため、秋の燥邪にいちばん傷つけられやすいのです。燥邪に入られると肺のうるおいが失われ、痰の少ない空咳が出たり、痰がねばって出しにくくなったりします。
乾燥した季節は燥邪が口や鼻から入りこみやすい時期。部屋の乾燥に気をつけて、のどや肌、そして肺のうるおいを守ってあげてくださいね。
成城漢方たまり 谷澤瑛美