気(き)とは何か?

2021.9.15

「気(き)」と聞いて何を思い浮かべますか?「元気」「気力」「気がつく」など、私たちは日常的に「気」という言葉をたくさん使っています。でも「気」という一文字だけ見ると、ちょっと身構えてしまうこともありますよね。私もそうでした。今日は「中医学で言う”気”とは一体何なのか?」を、お伝えします。

気は一言でいうと、私たちの生命活動を支える「目に見えないエネルギー」のようなものです。宇宙や自然界のすべては気からできていて、人間もまた、気が集まることで形作られ、絶えず動き、変化することで生きていると考えられています。

「気」には、主に5つの大切な役割があります
①推動(すいどう)作用:血液を流し、成長や発育、内臓の働きを促す役割。
②温煦(おんく)作用:体を温め、体温を一定に保つ役割。
③防御(ぼうぎょ)作用:ウイルスなどの外敵から身を守るバリアのような役割
④固摂(こせつ)作用:内臓を正しい位置に留め、汗や尿が漏れすぎないよう調節する役割。
⑤気化(きか)作用:食べたものをエネルギーや血液、水分へと作り変える役割。

現代的にいうと「ATP」のような存在でしょうか。いずれにしても身体機能を維持していくために、とっても大切なエネルギーであると言えます。

気は親から受け継いだ力だけでなく、私たちが日々行う呼吸と食事によって絶えず補われています。そのため、胃腸が弱っていたり睡眠が不足したりすると「気虚(ききょ)」というエネルギー不足の状態になり、疲れや気力の低下を招きます。また、ストレスによって気の流れが滞る「気滞(きたい)」という状態になると、イライラや喉のつかえを感じる原因にもなります。例えば「やる気が出ない」「気が昂ってしまう」なども中医学的には気のトラブルの1種です。
気のバランスが整っている状態こそが、中医学の考える健康条件のひとつ。中医学の知恵はこのように目に見えない体の不調について、日々の心と体の変化に耳を傾けて、体を労わるために役に立ちます。

成城漢方たまり・谷澤瑛美