中医学の「陰陽(いんよう)」ってなに?
「中医学」で必ず耳にするのが「陰陽(いんよう)」という言葉です。なんだか難しそう(?)怪しい(?)と思われるかもしれませんが、実は私たちが生きる自然界や、日々の体調の変化をとてもシンプルに読み解くためのメガネやフィルターのようなものです。
陰陽の考え方の基本は『世の中のあらゆるものには対になる2つの側面がある』というとてもシンプルなルールです。例えば、太陽が昇る「昼」があれば、暗くなる「夜」がある。触って温かい「熱」があれば、冷たい「寒」がある。このように、勢いがあって活動的なものを「陽」、静かで潤いやおだやかさをたたえたものを「陰」と呼びます。
この「陰」と「陽」は、どちらか一方が偉いわけでも、切り離された別物でもありません。お互いが存在し合うことでバランスを保っているんです。そしてこれは私たちの体内も同じ。元気いっぱい活動するエネルギー(陽)と、体をうるおし栄養を蓄える水分や物質(陰)が、ちょうどよいバランスで釣り合っている状態を、中医学では「陰平陽秘(いんへいようひ)」と呼び、心も体も健康であるベストな状態として大切にしています!
でも、私たちの体はずっと同じ状態ではありません。季節の変化、多忙やストレスなどが重なると、このバランスが崩れてしまいます。「陽」が強すぎれば熱っぽくイライラしたり、逆に「陰」が足りなくなれば体の中からジワジワと乾きやだるさを感じたりします。中医学の面白いところは、風邪を引いたときや体調を崩したとき、自分の体が「今、陰と陽のどちらが足りなくて、どちらが多すぎるのか」を見極め、食事や漢方薬でそのバランスを「ちょうどいい真ん中」に戻していくところです。
「最近ちょっと疲れやすいな」「冷えとほてりが両方気になるな」と感じたら、それは体からの「陰陽のバランスが崩れてるよ」というサインかも。自分の体の中にある陰陽の調和に耳を傾けてみませんか?
成城漢方たまり・谷澤瑛美