春の何となく不調

2026.3.20

『春になるとなんか調子悪い』。冬が終わり気持ちの良い季節なのに困りますよね。でも実は、結構多いお悩みなんです。

中医学において、春は万物が芽吹き、エネルギーが「上へ、外へと」向かっていく発散の季節です。冬の間に蓄えられていた「気」や「血」が活発にめぐり始める時期ですが、この季節に最も大切な働きをするのが、五臓の「肝(かん)」です。

肝は全身の「気のめぐり」をコントロールし、情緒を安定させたり、血を貯蔵したりする働きを担っています。でも、春は入園・入学・就職といった環境の変化によるストレスを受けやすく、肝の機能が乱れがちです。その結果、イライラや情緒不安定、ゆううつ感、ため息、脇腹の張りといった「気滞(きたい)」の症状が現れやすくなります。春の何となく不調ってこの気滞症状に紐づいていることが多いんですよ。

春を元気に過ごすための養生の秘訣は、肝をのびやかに保つことです。具体的には…

  1. 生活の養生:早起きと散歩がおすすめです。冬の閉鎖的な生活から切り替え、少し早起きをして屋外へ出かけましょう。芽吹き始めた木々を眺め、朝の新鮮な空気を吸いながらゆったりと散歩をすることで、肝の気がスムーズにめぐり、一日の活力が生まれます。
  2. 食事の養生:滞った気を発散させるため、香りの良い食材を取り入れましょう。セロリ、春菊、シソ、ミント、パクチーなどは肝の働きを助け、ストレスを解消するのに効果的です。また、肝の機能を補うクコの実、ナツメ、黒ゴマなども積極的に摂ると良いでしょう。
  3. リラックスタイムのお茶 :気分がふさぐ時やイライラする時は、ジャスミン茶やミントティーなど、香りの高いお茶を飲むのがおすすめです。

春はエネルギーを解放する季節です。自然のリズムに合わせ、無理をせずゆったりとした気持ちで過ごすことといいですよ。漢方薬では逍遥顆粒や開気丸など肝を助けて気を巡らせるものをおすすめすることが多いです。

成城漢方たまり 谷澤瑛美