生理前のイライラ・落ち込み
「生理前はイライラしやすい」・「ちょっとした事でイライラしたり落ち込んだりする」生理前って情緒が不安定になりやすい時期ですよね。
特に自律神経の乱れから気の巡りが停滞しやす「気滞(きたい)」体質の人は症状が強いことが多いです。気持ちのアップダウンに加えて胸や腹部の張り、食欲の暴走、むくみ、便秘などを伴うこともあります。これらの生理前の諸症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれいますが、いずれの症状も中医学的には気滞によって生じていることが多いです。
生理前というのは妊娠している場合に備えて色んなものを”体に溜め込む”方向に体が傾きます。便秘になったり浮腫みやすくなったりすることを想像すると納得がいきますよね。これは妊娠を妨害しないようにする体の仕組みとも言えますが、気の流れが普段よりも停滞しやすくなるので様々な不調も起こりやすいです。気の流れを調節しているのは五臓の「肝」です。緊張しやすい、真面目、ストレスが多い、我慢していることがある…こんな人は肝の負担から気滞になりやすいタイプといえます。
生理前に不調にならないためには日頃から「肝」を整えて気を巡らせる体づくりをしておくことです。なるべくストレスを溜めない、合わない環境を避ける、気の合う人とおしゃべりをする、好きな音楽を聴く、リズム運動などの軽めの運動を習慣づける、気を巡らせる理気の食材を食べる(香味野菜や柑橘類)などの養生をオススメします。
毎月繰り返される不調というのは生活の質を下げ、生理前が近づくだけで憂鬱な気持ちにさせてしまうものです。もしも症状がつらい・長引いている場合は養生に加えて漢方薬の服用が解決への早道になります。肝を伸びやかに整えて気を気を巡らせる漢方薬、イライラが強い場合はこもった熱を解消する漢方薬、貧血気味の人は肝の栄養になる血を養い機能を回復させる漢方薬などがあります。お困りに方はお気軽にご相談ください。
成城漢方たまり・谷澤瑛美