中医学とは?
中医学という言葉はあまり馴染みがない人も「漢方」はご存知なのではないでしょうか。実は漢方というのは元を辿れば中医学がルーツです。中国から日本に伝わった後、日本国内で独自に発展を遂げたものが現在の「漢方」なんです。
さて、中医学は中国で2000年以上もの歴史の中で培われてきた伝統医学です。その最大の特徴は、ただ「病気を治す」ことだけを目指すのではないという点。それよりも、人間がもともと持っている「生きる力」を大切にし、病気になる前に先回りして防ぐ「予防」を何よりも重んじています。
私たちの体は、絶妙なバランスの上に成り立っています。中医学では、この世のすべてに「陰(いん)」と「陽(よう)」という2つの側面があると考え、この「陰陽」のバランスがぴったり整っている状態を「健康」と定めています。さらに、体を「五臓(肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)」に分ける考え方があり、この五臓はお互いに助け合ったり、時には抑制をかけ合ったりしながら、一つのチームとして活動することで健康状態を支えています。また、体を支える3つの要素として「気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)」という概念もあります。気は元気の源であり体のエネルギーとなるもの、血は全身に栄養を届けるもの。津液は体をみずみずしく潤すもの。これら3つがスムーズに体をめぐり、過剰にも不足にもならない状態が健康の土台となります。
ちょっと小難しい話をしてしまったかもしれませんが、これらの観点から中医学ては多角的に体の状態を捉えることができます。そのため、ひとりひとりの異なる体質や症状に合わせてオーダーメイドの対処を行う「弁証論治(べんしょうろんち)」が可能になり、これが中医学の大きな魅力です。
これからの時代、自分の健康は自分で守る意識が不可欠です。中医学の知恵を活かして自然のリズムを味方につけ、自分の体質を見つめ直す。そんな中医学の知恵を、ぜひあなたの日常に。
成城漢方たまり・谷澤瑛美